成人矯正
当院は一般的な矯正歯科治療も行っておりますが、近年はいびきや睡眠の障害などを有する方も多く機能的な改善も必要となることが多いため、睡眠や呼吸などの機能を重視、評価した矯正治療を行っております。
当院の成人矯正の基本理念
歯並びの治療を希望される患者様に
“なぜ歯並びが悪くなるのですか?”
と質問される事があります。
この質問を答えるためには、人類学、生理学、歯科学、遺伝学etcなど様々な見地からの答えが必要になります。
人類が地球に登場して600万年。
現在、私たちの住む日本では、開発がすすみ利便性に優れた近代的な生活スタイルが定着しています。
主に都市部では、狩猟や農耕などをする人口は100年前から比べると極端に減少し、人は本来の身体の機能をフルに使用しなくても十分に生活できるようになってきました。
現在では、歯並びが悪くなる原因の一つの要因は、ここにあると考えられています。
初代アメリカ歯科医師会会長でもあったプライス博士は世界14か国を調査して先住民族の虫歯や歯並びを、詳細に調査しました。
その先住民達と近代化していった村や街の人々の口腔内を良く観察し、歯並びや虫歯など口腔内の写真と食事の内容のデータを残しています。
そして1938年に出版されたその著書『食生活と身体の退化』で、
『伝統的な食生活やライフスタイルをやめて、文明的な、精製した砂糖や軟らかい食べ物中心の生活へ移行していった人たちは、わずか第一世代で歯並びを悪化させ顔面の奇形がが確認された』
と記しています。
すなわち、八重歯や出っ歯、受け口などの不正咬合は、ここ数百年の現代的な生活が引き起こしたまさしく現代病ということがいえるのではないでしょうか。
人類学的な評価では、ヒトの遺伝子はここ数百年で対して変わっていないのに、歯並びは変わってきているとの報告があります。遺伝的な要因も無視はできませんが、この事象は、まさしく生活習慣による疾病といえるでしょう。
国立科学博物館の人類研究部部長である長馬場悠男先生は、現代人の顎が原人からどのように変わっていったかを調査し、現代人の顔の特徴をよく調べています。2015年福岡で行われた日本矯正歯科学会でも軟食による顎の発達不全の危険性を述べていました。
睡眠や呼吸機能を評価、改善していく矯正
当院では小児の矯正歯科治療においては、その根本にアプローチする顎顔面口腔育成治療を行いますが、成人矯正に対しても骨格の形態修正や呼吸機能の改善のための治療を行っています。
具体的には、口腔内の舌房の確保を第一に考え、舌根沈下や、口呼吸防止、睡眠時無呼吸症候群などのQOL改善のためにCTや独自の各種機能検査を行って治療を行います。
その上で、審美的な回復を行い見た目も機能も共に安心できる歯並びを作っていきます。
そのため抜歯をする率も以前と比較しだいぶ少なくなってきています。
使用する装置
成人の矯正は、プレートタイプの装置とマルチブラケット(ラビアル、ハーフリンガル、リンガル)を使用した治療を行っています。
裏側矯正
『矯正治療はやってみたいけど、目立つのはちょっと、、、。』
という方にはおすすめの大人のための矯正治療です。
営業職やフライトアテンダント、思春期のナイーブな時期の学生など、矯正はしたいけど見られたくない方におすすめできる治療方法です。
裏側矯正は、歯の裏側からのアプローチを行う目立たない治療方法です。
目立たない反面、装置が舌に当たって痛くなったり、歯ブラシが難しかったりとデメリットもありましたが、最近では治療方法の変化や装置の革新により患者様にとっての負担がだいぶ減ってきました。
- ラビアル矯正
従来のいわゆる見える矯正です。
こちらも最近では歯の色に近い装置や、透明の装置などを好まれる方も多いです。
カラーを楽しむためのゴムなどが選べるようになっています。
- ハーフリンガル
多少口を開けたくらいではみえないので、かなり目立たなくなります。歯ブラシも両方裏側より楽ですし、コストも抑えられるため1番人気があります。
当院で使用している裏側矯正のブラケット非常にコンパクトに設計された装置で、従来の裏側矯正ブラケットに比較して、小さく舌感も良い装置です。食事時の違和感も少なく、発音の障害を軽減するようなデザインです。
結紮ワイヤーの飛び出しなどがなく、装着時の違和感を軽減し、清掃性も良好です。
チェアタイムを短くするセルフライゲーションを採用しており、術者・患者様共に優しい装置になっております。
- リンガル
上下とも歯の裏側に装置を付ける治療方法です。歯ブラシが難しく発音もしにくい反面、矯正しているかは外からはほとんどわからないです。
成人矯正治療の流れ
- 1 相談(¥0)
- 2 口腔内写真撮影&カウンセリング(¥0/30分)2回目以降は¥5000
- 3 矯正用精密検査(¥54000) 口腔内&顔写真、各種レントゲン、機能検査、研究用模型制作
- 4 診断
- 5 動的矯正治療開始(着手料)
- 6 治療中(調整料)*詳細は、カウンセリング時で実際の口腔内の変化と期間を確認できます。
- 7 動的矯正治療終了、リムーブ(調整料)
- 8 保定器具(Fix・BEGGリテーナー・クリアリテーナー)製作(調整料)
- 9 保定観察(保定観察料)
- 10 希望により保定器具除去(保定観察料)
*カウンセリング、検査費用は、治療開始する場合は矯正料金に含まれます。
*保定器具紛失の場合は別途製作費用がかかります。
治療の詳細は、患者様のプライバシー保護によりオンライン上での掲載は控えさせていただきます。
カウンセリングでは許可を頂いたモニター患者様の実際の歯の動きを見る事ができます。